春…桜が綺麗に咲く。
毎年の事だが…常連のお客様とのお別れの季節。
今年は少し、いつもと違う痛みを感じるような別れに、初老のオヤジはセンチメンタルになっている。
R君との出会いは、前勤め先美容室…おとうさんに連れられた少しポッチャリした小学生だった…。
これから今までお付き合いになるとはこの時は想像しておらず…中学、高校、そして将来の話をすることもあった。
この春から大阪の専門学校に通う。
小さい頃から短髪で、直毛の彼が、大阪に行く前にパーマをかけたいとの事…一回目のかかり具合は緩め…大阪に旅立つ前日なので、かけ直すわけにいかず…もう一度しっかり目にかけ直す。
また帰ってきたら来ますとお別れした。
もう一人は、一年半前に大阪から帰ってきたY君…関西空港でお勤めしていた。
地元の木材会社に就職…たびたび我がブログに登場する彼は…息子たちの先輩、高知農業高校卒でなんとなく他人ごとにならない。
一旦帰省した彼からは…来るたびに将来の相談を受けていた。
大型のトラックに乗りたいという彼は、中型トラック免許を取り…将来大型トラック免許を取らしてもらえそうな運送会社を調べていた。
最後のLINEに『報告があります。』と予約が入る。
既に感じていたのだが…前を向いたY君の決意を聞きながら…『大阪の運送会社にきまりました』
良かったねと言いつつ…正直複雑な心境になってしまう。
カットを終え…『コロナで大変ですが…身体に気を付けてください。』と気遣いしてくれた。
『頑張りよ!』と言うのが精一杯で気丈に見送る。
彼の車が駐車場を出る…最後のエールに店内から手を振った。
実のご両親の心情を考えると複雑だが…彼の未来を祈るしかないなーと思うのであった。