とうとう動かなくなってしまった…うちの金魚。『以下、彼』
ここまでの彼の苛酷な経緯をお話しましょう。
彼との出会いは、次男が小学5年生ぐらいだったかな？
『お父さん…金魚すくってきた～！！早く水槽にいれて！！』小さいフナ金三匹が入ったふくろを手渡された。
既に何年か生きたでっかい金魚がいたが…そこにこの三匹を…
三匹の中で、一回り小さく…すぐ死んでしまいそうな彼がいた。
餌を与えるが…餌をうまく食べれていないし、動きがほかの金魚とは決定的に違っているのを感じるのには時間はかからなかった。
彼には水を掻くむなびれが無く…背ビレもほとんど無く…尾びれの前にある小さなヒレもない…あるのは尾びれのみの障がいのある金魚だった。
弱々しい彼も徐々に大きくなっていくが…ほかの金魚たちには及ばない…尾びれだけで懸命にもぐもぐタイムに参戦する姿にキュンとくる。
大きな金魚が逝き、フナ金元気組も相次いで逝ってしまい…彼だけが残った…が尾びれだけでバランスをとる事で体が曲がり…うまくバランスが取れないでいた。
腹を上にし泳いだり…いまにも死んでしまいそうな様子だが…もぐもぐタイムだけは必至だった。
こんな状態が続いていたが、半年ぐらい前から水槽の端に置いていた大き目に石に寄りかかりピクリとも動かず…エラのみ動かす状態であった。
毎日心配で水槽をたたいて無事を確認していた。餌も食べ残し…フィルターに残ってしまうようになってしまった。
そして本日…逝ってしまった。
息子にすくわれて約五年半…彼は幸せだったんだろうか？
不自由な体で懸命に生きた彼…心配かけられた分愛おしいのである。
